メキシコ人選手として初めて5階級制覇(暫定含)に成功したホルへ・アルセは、昨年12月、ノニト・ドネア(比)に痛烈なKO負けを喫し、一度は「引退」を示唆したが11月16日、11ヶ月ぶりにカムバック。6下級制覇へのノロシをあげている。
そのターゲットは、IBF世界フェザー級王者エフゲニー・グラドビッチ(ロシア)で、アルセは意欲満々で対戦をアピール。来年はキャリア19年目となる元5冠王には、来年にもチャンスが与えられそうだ。
グラドビッチは、ドネアとは兄弟弟子にあたり、プロ緒戦で世界ランク入りを決めた五輪2連覇ワシル・ロマチェンコ(ウクライナ)とは、マネージャーを同じくしているため、今のところ対戦の可能性はない。
前王者ビリー・ディブ(豪)を返り討ちにして2度目の防衛に成功した、米・カリフォルニア州在住の王者はこれまで18戦全勝(9KO)星を残す27歳。豊富なスタミナを武器にしたラッシャーで、連打で相手をねじ伏せるのが持ち味。
アルセは2011年5月、圧倒的不利をささやかれながらも、ウィルフレッド・バスケスJr(プエルトリコ)のWBO世界Sバンタム級王座を攻略。これは見事な勝利だった。その後バンタム級王座(WBO)も獲得し5冠達成。メシコ人初の栄誉を勝ち取った。
アルセに取ってグラドビッチに一発パンチがないことは好材料で、得意の左ボディショットが冴えれば攻略の可能性も出てくる。しかし、休むことを知らない王者のラッシングパワーの前に打ちまくられ、無残な姿をさらすことも大いに考えられ、試合のカギはアルセの出来によって大きく左右されそう。
プロ2戦目で世界王座挑戦が噂されるロマチェンコは、WBO世界フェザー級王者オルランド・サリド(メキシコ)にターゲットを絞っているが、WBOがゲーリー・ラッセル(米)を指名挑戦者に指令。自らの負傷もあり、次戦は3月以降となる見込み。
また、ドネアも先のビック・ダルニャン(豪)戦で頬骨亀裂骨折。予定されていたWBA世界フェザー級ニコラス・ウォーターズ(ジャマイカ)挑戦は先延ばし。復帰は来年4月か5月となる模様。
再びやる気になったアルセは、フェザー級戦線台風の目となることは出来るのか。今後の動向に注目。
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アルセ 6階級制覇はグラドビッチ挑戦!?
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