8日、両国国技館。WBC世界Sフェザー級王者ガマリエル・ディアス(メキシコ)に挑戦した同級10位三浦隆司(帝拳)選手は、3回に得意の左ストレートで王者を倒し、6回にもダウンを追加。
7回には右アッパーで三度目のダウンを奪った。
苦労の末に世界王座を手に入れ、これが初防衛戦のディアスは勝利へのあくなき執念を見せ、またもや立ち上がる。
だが、右目はとっくにふさがり、出血も激しい。
挑戦者の豪腕は、「防衛して金を稼ぐんだ」という王者の夢を、一気につぶしにかかる。
8回も王者は防戦一方。ジャッジの一人は10-8とした。
豪快な左ストレートが、勝負を決めた。
青コーナーに吹き飛ばされるように倒れたディアス。
ローレンス・コール(米)主審は即座に試合をストップ。
ダメージの深い前チャンピオンは、しばらく起き上がれなかった。
喜びの三浦選手と葛西トレーナーのコンビ。
ディアスをメキシコでプロモートする、ドクター・ファウスト・ガルシアは、思わぬ敗北に落胆。
3回にダウンを奪ったにも係わらず、4回終了後公開された採点は、ジャッジ3者共に37-37。
場内からは、「エッ~!」という大きなどよめきが起こっていた。
粟生隆寛(帝拳)選手が保持していたチャンピオンベルトは、再び帝拳ジムへ戻った。
「おやじ、やったよ!」
新王者は、今年1月に不慮の交通事故で亡くなった父・政志さんに勝利を報告した。
一見不器用に見えるスタイルから放たれる左ストレートは、まさに豪腕。叔父である元日本フェザー級王者の 三 政直(横浜協栄)選手も、右と左の違いこそあれ、独特のスタイルから打ち込む右ストレートに強烈な威力があった。
「内山(WBA世界同級王者?、巡り会わせがあればやりたい」と、世界初挑戦で一度は倒しながらもTKOで敗れているライバル王者への雪辱にも自信を示した。
このクラスでは、ホルへ・リナレス(帝拳)に勝ち浮上した1位のセルヒオ・トンプソン(メキシコ)。一昨年11月、当時の王者粟生選手への挑戦試合で善戦し、WBC総会で再挑戦を認められた2位デビス・ボスキエロ(伊)が、挑戦の機会を待っている。
国内では元同僚の日本Sフェザー級王者金子大樹(横浜光)選手が世界ランク入りを決め、ファンの注目を集める。
豪腕王者の今後に期待!
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