1月5日、後楽園ホールは2013年度プロボクシング初興行を前に、関係者多数が参加し恒例のおはらいが行われ、リングの安全を願った。
メインの井上尚弥(大橋)vsガオフラチャーン・チューワッタナ(タイ) 戦は、午後3時からTBSで生中継。
満員の観衆が見守る中、先にリングに登場したのは、元WBA世界ミニマム級王者八重樫 東 (大橋)選手。サンムアンローイ・ゴーキャットジム(タイ)との、50キロ契約10回戦に挑んだ。元王者は、現WBA世界Lフライ級正規王者井岡一翔(井岡)選手に敗れて以来、約半年ぶりの再起戦。
一方のサンムアンローイは、15勝(3KO)4敗3分の27歳。昨年9月、大阪で世界ランカー向井寛史(六島)選手に8回判定負け。その後の11月、WBCアジア・コンチネンタル・フライ級王座を獲得している。
この日の八重樫選手は、元2階級制覇王者長谷川穂積(真正)選手からの、「防御を意識した方がいい」とのアドバイスを意識し、「防御7で攻撃3」という試合スタイル。
「今日はパンチをもらわないことを考えた」と元王者は、徹底的に足を使う作戦を遂行。
「どんなに観客から不満が出ても冷静に」と、アウトボクシングを貫いた。
だが、地力の差は明らか。
第9ラウンド。左ボディ一発で、粘るサンムアンローイをKOに降した。
「すいません。きょうの試合はナシということで…」
「今日の僕には覚悟が足りなかった」
「アグレッシブにいけば、もっと早く終わっていた。こんな内容じゃ上の階級では無理。出直します」
試合後の勝者からは、浮かないコメントが並んだ。
しかし、大橋ジム・大橋秀行会長は、「最近は打ち合いが多くファイター化していたが、きょうの試合内容なら十分に合格点」と高評価。
一時はWBC世界Sフライ級王者佐藤洋太(協栄)選手との同郷対決も話題に上がった八重樫選手だが、これは実現しなかった。今後はLフライ級か、フライ級でチャンスを伺うことになりそう。
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