WBA世界ミドル級王座決定戦。ロンドン五輪金メダリストの同級2位村田諒太(帝拳)選手が、同級1位ハッサン・ヌダム・ヌジカム(仏)に判定負けした結果を受けて、WBAヒルベルト・メンドサ・ジュニア会長は、謝罪と再戦指令を公式に声明。
試合後の早い段階で、自身のスコアが117-110であったことも明かしたジュニア会長は、「村田諒太と帝拳プロモーション、日本のボクシングファンにお詫びしたい。ひどい判定がもたらすダメージをどう回復させたらいいか、言葉が見つからない」としているが、これは組織のトップとしては異例中の異例といえるコメント。
このニュースにこちらも頼むよと乗って出たのが、20日(日本時間21日)に米・メリーランド州オクソン・ヒルで行われた、WBA世界スーパーライト級挑戦者決定戦。同級1位キリル・レリ(ベラルーシ)vs同級2位ランセス・バルテレミ(キューバ)で敗れたレリの関係者とファン。
判定は117-109、116-110、115-111でバルテレミと出たが、米・TV局の途中採点でレリがリードしているように、「おかしな判定。村田ばかりでなく、こちらも検証して助けてくれ」という声が上がっている。
さて、村田vsヌジカムの再戦指令。試合直後の帝拳ジム本田明彦会長は、「今までで一番ひどいジャッジ。いろんな見方があるにしてもひどすぎる」と怒り心頭。「WBAとは係りたくない」との見解も明らかにされているように、少し時間を置いて検討されることになろう。
また、WBOランキングでは1位に置かれている村田選手は、ヌジカム戦の内容を評価してもらえれば、ランキング上位にとどまる可能性も高いと思われ、7月8日(日本時間9日)に英国で開催される、同級正規王者ビリー・ジョー・ソーンダース(英)と、同級暫定王者アフタンディル・クルツィゼ(ジョージア)戦の勝者への挑戦チャンスも出て来そうです。
村田選手は「勝ってた負けてたはジャッジの仕事なんで、受け入れるしかありません」と潔くこの結果を受け入れ、「少し休んでこの先のことは考えます」とコメント。今はゆっくり休んで、良い充電をしてもらいたいと思います。