WBO世界スーパーフライ級タイトルマッチ。チャンピオン井上尚弥(大橋)vs元WBA世界同級王者河野公平(ワタナベ)。30日、東京・有明コロシアム。43戦目、36歳の挑戦者は入場から気合十分。
井上選手は4度目の防衛戦。
1R。
王者の左ジャブは速くて強い。
気迫十分の挑戦者は積極果敢に前に出た。
2R。
井上選手の左ボディは強烈。
3R。
4R。
5R。
攻める河野選手に、井上選手の左フックが各ンターで炸裂。
挑戦者ダウン。誰もが立てないと思ったが、驚いたことに河野選手は立ち上がった。
絶対絶命のピンチだが、河野選手は打って出た。
しかし。ダメージは甚大。王者の容赦ない追撃の前に再びキャンバスへ落ちる。
即座に試合終了。TKOタイム6回1分1秒。
まさに燃え尽きた挑戦者。
左はアトランタ五輪金メダリストで元世界王者のイストバン・コバチ(ハンガリー)WBO立会人。レフェリーはロバート・バード(米)。
「井上選手と戦えたことを誇りに思う。今はゆっくり休みたい」
河野選手の勇気と頑張りは、記憶に残る感動を与えた。
強かったチャンピオン。勝ってもなお、謙虚な姿勢を見せた。今後は最強といわれる4階級制覇のWBC世界同級王者ローマン・ゴンサレス(ニカラグア)との対戦が期待される。大橋ジムの大橋秀行会長は「待てるなら1年」とし、井上選手も「出来るだけ早くやれれば」と、ビッグマッチ実現を望んでいる。