昨年大晦日、大阪・エディオンアリーナ大阪で行われたIBF世界ミニマム級タイトルマッチ。チャンピオン高山勝成(仲里)選手が、挑戦者に同級8位ホセ・アルグメド(メキシコ)を迎えた3度目の防衛戦は、高山選手の両目上のカットによる9回終了負傷判定で、アルグメドが新王者。
序盤から挑戦者は、「前に出て大きく振って行け」というコーナーの指示通り、頭を下げながら大きなパンチを振るっていく。
第2ラウンド。王者は早くも戦前から心配されていた古傷の左まぶたをカット(偶然のバッティングと裁定)。
中盤、高山選手はボディ攻撃も織り交ぜ、アルグメドを攻めるが、メキシカンも良く応戦。王者の被弾も少なくない。9回には右目上もカット。長いドクターチェックの後、試合は続行されたが、9回終了後試合は停止。勝敗は負傷判定に。
スコアはミッキー・ヴァン(英)87-84、ファブリツィオ・ロペス(メキシコ)87-84でアルグメド。日本の原田武夫氏は86-85で高山選手だった。
IBFからこの試合のレフェリーに任命されたのは、大ベテランの島川 威 氏。プロボクシングの審判員としてデビューしたのは、昭和34年(1959年)という島川氏は、来年3月には81歳の誕生日を迎えられる。
新王者アルグメドは、15勝(9KO)3敗1分。サウル・カネロ・アルバレス(メキシコ)と同じ、エディ・レイノーソがトレーナーを務める。
敗れた高山選手は「まずは休養を取り、今後の事を考えたい」とコメント。両まぶたの負傷をしっかり治し、再起へ備えてもらいたい。新王者アルグメドにも付け入る隙はあり、日本のチャレンジャー群に期待。