28日(日本時間29日)、独・デュッセルドルフ、エスプリ・アレーナで行われた、統一世界ヘビー級タイトルマッチ。IBF、WBO及びWBAスーパー王者ウラジミール・クリチコ(ウクライナ)に、WBO1位、WBA2位、IBF3位のタイソン・フューリー(英)が挑んだ一戦は、フューリーが12回判定勝ち。39歳の絶対王者クリチコは、04年4月以来の黒星を喫し王座落城。27歳の新王者が誕生した。
身長198センチの王者を上回る、06センチの長身を誇る挑戦者。クリチコは長い左を伸ばし、隙を見て右を打ち込むという、いつもの戦術が使えず手数が少ない。一方のフューリーも強引な攻めは見せられず、互いにクリーンヒットに欠ける展開。
ようやく9回、クリチコが右ストレートを当てると、フューリーもクリンチ際に左フックを返し会場が沸く。そして終盤、疲れの見えるクリチコは手が出ない。11回には後頭部への打撃でフューリーに減点があったが、疲れた王者は手が出ず挑戦者の攻勢を許した。スコアは115-112、115-112、116-111の3-0。
新王者フューリーは25戦全勝(15KO)無敗。精彩を欠き王座転落となったクリチコは、64勝(53KO)4敗。