今週日曜日に開催されるWBC世界ミドル級タイトル戦は、直前になってWBCが王者ミゲール・コット(プエルトリコ)の王座を剥奪。理由は特別承認料の30万ドル(約3700万円)の支払いを、コットが拒否したことにあるが、指名挑戦権を持っている暫定王者ゲンナジー・ゴロフキン(カザフスタン)への待ち料80万ドル(約9800万円)の支払いも、コット自身が負担することになっていたことを明かしている。
「カネロとの戦いに、WBCのベルトを必要としません。110万ドル(約1億3500万円)は、私の口座に残します」(コット)
コットvsカネロ戦を特別承認の「自由選択試合」として、指名戦の前に割り込ませる為には、ゴロフキン陣営に「待ち料」を支払うのが通例で、ゴロフキン陣営は80万ドルで納得。コットがこの土壇場で異を唱えなければ、全ては丸く収まるはずだった。
この試合のファイトマネーの最低保証は、コットが3千万ドル(約37億円)、アルバレスが1千万ドル(約12億3千万円)。待ち料を支払っても、十分なおつりがくる勘定なのだが、コットに「公正ではない」と言われれば、WBCは立つ瀬がなく面目丸つぶれ。
そこでWBCは、ただ待たされただけの形となったゴロフキン陣営への配慮から、カネロが勝った場合、15日以内に暫定王者陣営との交渉開始を指令。もし、それを守らなかった場合は王座剥奪。ゴロフキンを正規王者として認定するとしている。
タイトル統括団体として、ルール通リ指名試合を強制していれば、こんな裏事情が出て叩かれることもなかったが、これも身から出た錆。
しかし、ボクシング・ビジネスの歴史では、「待ち料」を支払って指名戦は先延ばしという先例は、いくらでもあるのも事実。
ハグラーvsムガビ・待ち料1億円25戦全KO!
先のブラッドリーvsリオスのWBO世界ウェルター級戦も、王座決定戦で王者になたブラッドリーに対し、WBOは1位サダム・アリ(米)との対戦を指令。リオス戦承認の条件として、アリ側が納得すればという条件を付け、最近反ヘイモンでタッグを組む、ボブ・アラムとオスカー・デラホーヤは、「待ち料」(10万ドル程度と見られる)で手を打った。
今後、タイトル統括団体は「待ち料制度」にも、何らかの保険を賭けなければいけない様相となった、今回の一件。
1月22日(日)午前11:00~ 【生中継】 WOWOWライブ・コットvsアルバレス&三浦隆司戦
こうなると、予想不利と見られるコットも意地を見せそうで、試合は面白くなりそう。コットが勝ったら、何と言うのか。聞いてみたい気がします。('-^*)/