2014年度ボクシング界の締めくくりは、30日、31日に東京と大阪で開催される八つの世界タイトルマッチ。ここ数年、年末恒例行事となった世界戦ラッシュだが、2日間で8試合は、まさに驚異!。年末、どんな好ファイトを見せてくれるのか。大いに期待したい。
さて、日本ボクシング界で「世界戦ラッシュ!」という言葉が初めて使われたのは、1974年10月のこと。3週間で5つの世界タイトルマッチ開催は、「日本のリング史上初めてどころか、世界を例にとってもみつからない」とある。
まずは1日、東京・日大講堂でWBC世界フライ級王者ベツリオ・ゴンザレス(ベネズエラ)に、世界10位小熊正二(新日本木村→大熊)選手が挑戦。3日には場所を同じく、WBC世界Sフェザー級王者柴田国明(ヨネクラ)選手が、指名挑戦者のラミロ・クレイ・ボラノス(エクアドル)相手のV2戦。
8日は同じく日大講堂で 龍 反町(野口)選手が、統一世界Sウェルター級王者オスカー・ショットガン・アルバラード(米)に挑戦。そして18日、横浜文化体育館でWBA世界フライ級王者チャチャイ・チオノイ(タイ)に、花形 進 (横浜協栄)選手が世界戦5度目のチャレンジ。
締めくくりは、ガッツ石松(ヨネクラ)選手にライト級王座奪取を先取りされた門田恭明(三迫→新一)選手が、”戦うチャンピオン”アントニオ・セルバンテス(コロンビア)の持つ、WBA世界Sライト級タイトルに挑戦というスケジュール。
5月、ゴンザレスにノンタイトル戦で敗れるも、その善戦ぶりが認められて世界ランク入り。即世界挑戦のチャンスを得た小熊選手は、「誰も俺が勝つとは思わなかったでしょうね」という、大番狂わせで、見事に世界王座奪取に成功。
新婚ホヤホヤの柴田選手は、「負けたら彼女がかわいそうですから」と気迫十分のファイトで”南米のクレイ”を圧倒し、最終回ストップ勝ち。試合後のリング上では、「明日はエディさんの誕生日なんです」と、いかにも嬉しそうだった。
輪島功一(三迫)選手の仇討ちに挑んだ反町選手は、初回から「これは倒せるぞ」と思わせる好調な立ち上がり。しかし、右が当たるばかりに肝心の左を忘れ、ショットガンの望む打ち合いに巻き込まれ、7回無念のKO負け。
花形選手は計量で1.6キロオーバーの失態を犯し、王座剥奪されたチャチャイを果敢に攻め、6回TKO勝ち。デビュー11年、5度目の挑戦を実らせた。河合会長は、「ここまでやってこれたのは努力の賜物。それにしても、この子が世界チャンピオンになれるとは思っても見なかったことです」と涙した。
幸運あり、不運もあった40年前の「世界戦ラッシュ」5試合は、今でも鮮明に記憶に残っています。
2014年、「世界戦ラッシュ」は、どんなドラマを見せてくれるのか。楽しみですね!。(^-^)/