入札が示唆されていたWBC世界Sライト級王者ダニー・ガルシア(米)と、同級1位ビクトル・ポストル(ロシア)の指名試合は、結局、ガルシア側がポストル陣営に「待料」を支払うことで対戦延期に合意。
4ヶ月以内にガルシアは別の相手と戦うことが出来ることになり、その後、90日以内にこの指名戦は実現されることになっているが、ガルシアvsポストル戦は実現しないだろうとの見方が強い。
ガルシア自身は次の対戦相手候補、IBF世界同級王者ラモント・ピーターソン(米)との戦いには興味を示しておらず、誰と戦う事になるかはまだ不透明。しかし、とにかく入札は回避され、ガルシアと契約を結ぶアル・ヘイモンはひとまず満足か。
さて、ヘイモンとは音楽業界で遺恨を残す、ジェイZ率いるロックネイションはピーター・クィリンvsマット・コロボフ戦の入札当日に突如現れ、圧倒的な金額でこの試合の興行権を落札。だが、ヘイモンはクィリンに相当額の手当を支払い、王座返上、出場辞退を決めた。
WBC世界ヘビー級の指名試合、王者バーメイン・スティバーンvs1位デオンテイ・ワイルダーの一戦も入札が延期され、交渉の成り行きが不透明となっている。
これはスティバーン擁するドン・キングが法外な条件をふっかけて話にならないのと、ロックネイションの入札参加を恐れるワイルダー陣営のヘイモンが、入札を回避しているのが原因との見方が強い。(確かにロックネイションは入札を狙っている)
長年に渡りWBCヘビー級王座戦を牛耳り、多大な貢献があるキングと、フロイド・メイウェザーJrらを擁し大勢力となったヘイモンの意見はムゲに出来ないWBCは、入札も実行出来ない板挟み状態。
もはや、「年内実現はないのでは」という声も上がり始めているWBCヘビー級戦。この先は果たして?・・・。