9月5日、東京・代々木第2体育館。WBC世界フライ級王者八重樫 東 (大橋)vs挑戦者ローマン・ゴンサレス(ニカラグア)の一戦は、第6ラウンドへ突入。強打のゴンサレスを相手に、八重樫選手はひるむことなく立ち向かう。
A.Yaegashi vs R.Gonzalez WBC flyweight title 1
この試合で王者を苦しめ続けたゴンサレスの左アッパー。
だが、八重樫選手も果敢に反撃。
8回。挑戦者の右が王者を直撃。膝が揺れる八重樫選手。
ゴンサレスは多彩なパンチで攻め立てる。しかし、王者はよく踏ん張った。
そして試合は第9ラウンドへ。
厳しい戦いだが、八重樫陣営はまだまだ諦めていない。
ゴンサレスの強打を喰らっても、前に出ることをやめない王者の戦いぶりは感動的。
しかし、勝負師ゴンサレスは容赦なく王者に襲いかかる。
それでも八重樫選手は試合続行の意思を示したが、これまでのダメージを考慮したグリフィン主審はここで試合をストップ。TKOタイム9回2分44秒。
尊敬する母国の英雄、故アレクシス・アルゲリョに並ぶ3階級制覇を達成した、勝者ゴンサレスも男泣き。この試合に賭けた想いを爆発させた。
潔いよい敗者は、満員の観衆に頭を下げて感謝の気持ちを伝えた。
偉大な敗者をねぎらう、マウリシオ・スライマンWBC会長。
「まだまだ僕のボクシング人生は終わっていない。八重樫の試合を見たいと言ってくださる方がいる限り、何度でも戦う」
素晴らしいファイトを見せてくれた両陣営が仲良く記念撮影。なかなかお目にかかれるものではない。
勝者ゴンサレスは強かったが、敗者八重樫選手も素晴らしかった。記憶に残る、感動的ファイトでした。