9月5日、東京・代々木第2体育館。WBC世界Lフライ級王者井上尚弥(大橋)選手の初防衛戦は、同級13位サマートレック・ゴーキャットジム(タイ)=17勝(5KO)4敗=が相手。先輩、八重樫東選手の露払い。気合充分でリングに登場した。
サマートレックのチーフトレーナーを務めるのは、かつて協栄ジムに在籍した篠田誠司氏。このところ、立て続けにビッグファイトに登場している。
元ムエタイ王者も、国際式の王座奪取に強い決意を伺わせる。
左からJBC森田事務局長、秋山専務理事、マウリシオ・スライマンWBC会長、ディユエイン・フォード(米)WBC立会人。フォード氏はジャッジとしてWBA、,WBC世界戦で数多く来日。現在NABF(親WBC北米タイトル団体)の会長職にある。
冨樫リングアナ、気合のコールでいよいよ試合開始ゴング!。レフェリーは、メキシコのゲラジアス・ペレス・ウエルタ氏。
第4ラウンド。井上選手が左ボディから右をフォローすると、サマートレックはダウン。
KOは時間の問題かと思われたが、ここからサマートレックは粘りを見せる。
第6ラウンド。井上選手は強烈な左ボディで、この試合2度目のダウンを奪う。
王者のパンチを被弾しながらも、時折反撃のサマートレック。
「八重樫選手は素晴らしいファイトを見せましたが、サマートレックの頑張りも賞賛ものでしたよ」(山田純夫氏)
ボディブローにアッパーカット。
多彩な攻撃で挑戦者を圧倒するチャンピオン。ファンの期待はクリーン・ノックアウトだ。
よくこらえていた挑戦者だが、ここでウエルタ主審は試合をストップ。
TKOタイム11回1分8秒。
初防衛に成功した井上選手だが、笑顔はない。
「Lフライ級では仕上げるのに精一杯で、試合では0点」と厳しくこの日の戦いを振り返った王者は、今後はフライ級で戦うことを示唆。
「皆さんの声援で、勝利へ導いてください!」
満員の観衆に、後に登場する八重樫選手への激励メッセージを託した若きチャンピオン。
「井上選手は、八重樫選手のために良い事言いました。だけど、私があの年齢の頃、『導いてください』なんて言葉は使えなかったですよ」(山田純夫氏)
「強い相手と戦いたい!」
八重樫選手の敵討ちに期待!。