挑戦者は同級14位クリス・アルジェリ(米)。30歳の元キックボクサーは、ニューヨークで生まれ育ち、これまでの19戦(全勝8KO)全てを地元で戦って来た。右はセミファイナルで勝ったデメトゥリアス・アンドラーデ(米)の共同プロモーター、ジョー・ディグアルディア(米)。
マイケル・バッファーのコールに応える、シベリアン・ロッキー、プロボドニコフ。
王者を共同プロモートするアーサー・ペルーロ(米・右)と、ゲルマン・ティトフ(ロシア)の二人。
ハーヴェイ・ドック(米)主審の注意を聞き、いよいよ試合開始。
初回。左フックの相打ちでプロボドニコフは、早々とダウンを奪う。
立ち上がったアルジェリに追い打ちのプロボドニコフは、左ボディを効かせ2度目のダウンを奪う。勝負は早そうな予感がしたが・・・。
ここぞとばかりにKOを狙った王者だが、挑戦者はかろうじて逃げ延びた。
フットワークを使い、長いパンチで反撃の挑戦者。
しかし、王者はそのパンチをさして気にする様子も見せずに強引に前に出た。
右目が塞がったアルジェリにドクターチェックが入る。
フレディ・ローチの指示を聞く、プロボドニコフ。
圧倒的パワーで挑戦者を追うチャンピオン。
動き回りながらコンパクトなパンチで応戦する挑戦者。
パンチの破壊力で大きく勝る王者だが、単調な攻めに終始し、挑戦者を捕まえきるまでには至らない。
第10ラウンド。軽いパンチだが、王者が被弾する場面も増えてきた。
最後まで足を止めず、動きながら手を出し続けたアルジェリ。
強引に攻めたが、切れ味に欠け、パンチをまとめることが出来なかったブロボドニコフ。しかし、試合を作って行ったのはチャンピオン。
そして最終ラウンド終了。放映したHBO放送席の採点は117-109で王者が支持されていた。
だが、発表された公式スコアは109-117、114-112、114-112の2-1。勝者はアルジェリ。
大きく割れたスコアカード。
WBO立会人は、ホセ・エスキエルド(プエルトリコ)氏。
判定を聞き呆然とする前王者プロボドニコフ。
そして、先週のコットの勝利から奈落の底へ落された気分のフレディ・ローチ軍団。
試合後、ローチトレーナーは「ニューヨーク以外の中立地での再戦を要求」。
この試合のジャッジ構成は、プロボドニコフの勝ちとスコアしたマックス・デルーカ氏が、カリフォルニアを拠点とし、アルジェリにポイントを与えた、トム・シュレック氏、ドン・トレラ氏はニューヨークを拠点としている。
ニューヨークで生まれ育ち、プロキャリアの全てをニューヨークで戦って来た新王者は、マニー・パッキャオ(比)とのドリームマッチに夢を馳せているが。