2008年のキングスカップで、現WBA世界Lフライ級正規王者井岡一翔(井岡)選手に土を付け、北京五輪への夢を断ち切った、タイのアムナット・ルエンロンが、22日、地元でOPBFフライ級王者ロッキー・フェンテス(比)を相手の、IBF世界フライ級王座決定戦に挑む。
これは20日にタイでアムロットを相手に防衛戦を決めていたモルティ・ムザラネ(南ア)が、報酬の不満を理由に試合をキャンセル。王座を返上したのに伴う措置。
IBF世界フライ級ランキング7位のアムロットは、懲役15年の刑を受けて収監された監獄でボクシングを始めたという変り種。アマデビューは07年。この年のキングスカップ(準優勝)では、後の北京、ロンドン五輪で連覇を果たすことになるゾウ・シミン(中国)に勝っている。
プロ転向は2012年で、これまで11戦全勝(5KO)無敗。34歳になるアムロットが勝てば、タイプロボクサー史上最高齢での世界王座奪取になる。
対するフェンテスはIBF5位。2010年3月、大久保雅史(青木)選手からOPBFフライ級王座を奪い、その後も日本人挑戦者を撃破。これまで6度の防衛に成功している。35勝(20KO)6敗2分。
ここ8年間で敗れたのは、リッチー・メプラナム(比)にスプリットの判定を失った(07年)試合のみだが、キャリア前半の黒星のうち、三つはタイ遠征で記録したもの。
昨年、亀田興毅(亀田)選手の持つWBA世界バンタム級王座に挑戦し、接戦を演じたパノムルンレック・カイヤンハーダオジム(タイ)のデビュー戦(04年)相手を務めたフェンテスは、判定を失いプロ初黒星。引退前の元王者チャナ・ポーパオイン(タイ)とは引き分けた。
その後キャリアを積み、自信と実力をつけたフェンテスは、鬼門の地タイで王座獲得なるか。
1、2位が空位となっているIBFフライ級ランキングは、WBC王座に狙いを定めているルイス・コンセプシオン(パナマ・WBC1位)が3位。4位に、亀田大毅(亀田)選手のフライ級王座挑戦に失敗してからの3連敗を克服したシルビオ・オルティアーヌ(ルーマニア)が続き、上位を形成している。
アジア権で王者が誕生すれば、日本選手の挑戦チャンスも増えそうで、結果が気になりますね。
▼WBCホセ・スライマン会長が逝去。謹んでご冥福をお祈り申し上げます。
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