IBF世界フェザー級王者エフゲニー・グラドビッチ(ロシア)2度目の防衛戦は、前王者ビリー・ディブ(豪)とのリターンマッチ(24日、マカオ)。今年3月の初戦は、ランキング11位だった代打挑戦者グラドビッチが2-1の判定で混戦を制し、王座獲得に成功。
これが2度目のマカオ登場となる王者は57キロで前日計量をパス。初防衛も果たし、グッと貫禄もついた。
挑戦者となったディブは57.2キロ。前回の判定には納得していないだけに、王座奪回に自信満々といったところ。
試合は例によってグラドビッチがプレッシャーをかけ、豊富な手数で積極的に仕掛ける。距離をとりたいディブは後手に回った印象。
しかし第4ラウンド、前王者は打ち気に出て巻き返しを図る。5回には接近してくる王者のボディを叩いた。
そして迎えた第6ラウンド。再びプレスを強めたグラドビッチは、右を決めて、ややスリップ気味ながらもダウンを奪う。これで勢いづいた王者は、7回もディブを追い回し優勢を強める。
8回、挑戦者はサウスポーにチェンジして試合の流れを変えようとしたが、これは焼け石に水。王者の右ストレート、左フックを被弾したディブは、コーナーに詰まり防戦一方。明らかにダメージが感じられる。
続く第9ラウンド。またもやコーナーに追い詰められたディブは、グラドビッチの強烈な右アッパー喰らいまたもやピンチ。
ここでディブのセコンドがリングにあがると、アラン・ハギンズ(米)主審はすかさず試合をストップ。グラドビッチが9回1分10秒TKOで2度目の王座防衛に成功した。
8回までのスコアもチャンピオンが圧倒的リード。
ノニト・ドネア(比)、マイキー・ガルシア(米)らと同じく、ロバート・ガルシア氏に師事するるグラドビッチは、これで18戦全勝(9KO)無敗。現在はカリフォルニア州オークランドに住む。
マネジャーは、プロ緒戦で世界入りを決めた五輪2連覇のフェザー級ワシル・ロマチェンコ(ウクライ)他、無敗ホープを多数抱えるイージス・クリマス氏。
オプション突破のグラドビッチ。今後のマッチメイクに注目。