日本プロボクシング協会は、日本ボクシングコミッション(JBC)に対し、WBA暫定世界王者と休養世界王者に関して明確な定義を示すことを要望。JBCはすでにWBAにこれらの定義に関しての説明を求めており、近日中にも回答が出る見込み。
暫定世界王者。WBAのタイトル管理実績から見れば、もはや”interim”(暫定的な)という言葉は、世界中を混乱させるだけ。WBA世界王者は二人認定制だと、態度をはっきりさせたほうが良い。いや、もとい。場合によっては同一階級4人まで認めることがある、ですね。(^_^;)
今年3月JBCは、「正当な理由で正規王者が長期間活動できない場合を除き、暫定を世界戦と認めない」とした。その上で今年4月9日、日本Sバンタム級暫定王座決定戦が開催されている。昨年11月2日の防衛戦後、王者芹江匡晋(伴流)選手がケガで戦線復帰の目処が立たなかったことによる措置であった。
清水智信(金子)選手のケガは、8月31日のWBA世界Sフライ級王座を奪取した試合でのものである。9月中旬には、診断結果を基に「V1戦は来年春頃になる」旨が発表されている。
10月に入り、WBAは暫定王者テーパリット・シンワンチャー(タイ)に対し、同級1位亀田大毅(亀田)選手との指名試合を指令。亀田陣営は12月7日開催を目指し、タイ側と交渉に入った。テーパリット側は、亀田陣営の条件をのみ、来日を受諾。
WBA加盟国日本のJBCは、WBA指令試合を認めるものだとばかり思っていた。清水選手のケガは、正当なものであり、この場合の暫定王座戦は、先の日本王座における暫定戦と同等であろう。日本Sバンタム級暫定王座を獲得した瀬藤幹人(協栄)選手は、復帰した芹江選手と王座統一戦を行い、国内における暫定王座の役目は終えている。
テーパリットvs大毅戦は、正規王者がケガで離脱のケースですから、”意味のない暫定戦”とはならず、大毅選手が勝った場合は、正規王者清水智信(金子)選手とすみやかに対戦するということでJBCがまとめていれば、WBAの暫定制度を有効に使えた一例になったのではないでしょうか。
迷走WBAにも面子がある。指令したカードが拒否されれば、世界中に示しがつかない。
休養王者。
「これは正規王者に対する優遇措置ですよ。指名試合の既定もないんですから」
ヘビー級王者ルスラン・チャガエフ(ウズベキスタン)は09年2月7日、WBA世界ヘビー級休養王者として防衛戦を行っている。しかし、試合の記録はWBA世界ヘビー級タイトルマッチ。休養とはついていない。
正規王座にはニコライ・ワルーエフ(ロシア)が君臨。しかし、両者の王座統一戦はドタキャンとなっている。
その後、ワルーエフはデビッド・ヘイ(英)に王座を追われる。そして、チャがエフの方はヘイの負傷で、ドタキャンの3週間後、IBF&WBO世界ヘビー級王者ウラジミール・クリチコ(ウクライナ)に挑戦してしまう。
WBAはこの試合を容認はしたが、さすがに承認はしなかった。
チャガエフの休養王座は、この試合の敗戦で失われた。
JBCからも、「意味のない暫定王座の定義」をしっかり説明してほしいものですね。
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