12日、後楽園ホール。宮崎 亮 (井岡)選手が返上した後のOPBF・東洋太平洋Lフライ級王座決定戦に、WBC同級8位小野 心 (ワタナベ)選手が登場。キャリア13年目で初のタイトルマッチを迎え、気合が入る。
対戦相手は、OPBF同級2位オマリ・キムウェリ(豪)。現在10連勝中のタンザニア人は、これまで12勝(4KO)2敗の戦績。
キムウェリは身長150センチと小柄ながら、思い切りの良いパンチを振り回し、序盤戦をリードした。
リングサイドでは小野選手の同僚、内山高志(左)、河野公平(右)の両世界王者が応援。真ん中は、歌手の元ライセンサー山川 豊 氏。
ロープに詰まる場面が多かった小野選手だが、あらゆるディフェンス技術を駆使し、キムウェリの猛攻をしのぐ。
第4ラウンド終了時の途中採点は、39ー37、39ー37で2者がキムウェリ。残る一人は同じスコアで小野選手。
ワイルドなパンチをぶん回したキムウェリがリードを奪う。
しかし、ここからワタナベ陣営の読み通り、キムウェリはペースダウンの様相を呈する。
ポイント挽回を図る小野選手は、プレスを強める。
ワン・ツーを中心にボディも攻め、巻き返した。
しかし、キムウェリは単調になった小野選手に対し、時折スイッチしてその出鼻にステップインしてのロングフックでカウンター攻撃。
そして8回、小野選手が回り込み際にバランスを崩したところに、左フックでダメージを与えることなくラッキーなダウンを奪う。
第8ラウンド終了時のスコアは、76-75、76-75で2者がキムウェリ。
そして残る1者が、77-74で小野選手のリード。
9回以降、逆転を狙い小野選手は前に出る。
攻める小野選手だが、キムウェリはステップインしてのロングフック中心に反撃。
完全なる攻勢は取りきれないラウンドが続く。
いよいよ、ラストラウンド。
試合終了ゴングと共に、両選手共に勝利ポーズ。
TV放送席解説の浜田剛史、セレス小林の元世界王者は、やや渋い表情。
緊張の場内に読み上げられた判定は、113-114、114-113、117-110の2-1で、小野選手を支持。
だが、「採点は微妙で、7ポイント差はないですよ」(山田純夫氏)という際どい勝利だった。
プロ13年目。初めて巻くチャンピオンベルトは、格別な思いだろう。昨年4月、現WBC世界ミニマム級王者 熊 朝忠(中国)を破っている新王者は、15勝(2KO)5敗2分の30歳。
「ベルトを巻くまで時間がかかったけど、うれしい」
そして試合後、話題のスーパールーキー井上尚弥(大橋)選手から挑戦状が提出された。
「井上は異例ずくめですから。強い相手と対戦させたい」と、井上選手擁する大橋会長は意欲満。
新王者は「(井上戦は)会長と相談して決めたい。今はゆっくり休みたい」。
そして新王者の渡辺会長は、「初防衛戦は指名試合なので、井上選手の挑戦を受けるのは早くてV2戦」としながらも、今後はミニマム級での世界挑戦も視野に入れる模様だ。
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