大晦日、日本国内では東京と大阪の2会場で、五つの世界タイトルマッチが開催される。どのカードも噛み合いがよく好試合が期待されるが、中でもとりわけ「楽しみだねェ。これは面白い試合だよ」と、ボクシング関係者から声をかけられるのが、WBC世界Sフライ級タイトルマッチ。
チャンピオン佐藤洋太(協栄)選手に、無敗の前OPBF王者赤穂 亮 (横浜光)選手が挑む一戦は、スピードとテクニックの王者に、日本人離れした強打を持った挑戦者の組み合わせ。
「どうせなら赤穂君」と、不気味な挑戦者を選んだのは、果たして吉と出るか凶となるか。
昨日、公開練習を披露した赤穂選手は、絶好調をアピール。世界王者相手の本番で、これまでのキャリアで見せたことのない力を発揮しそうな予感もあり、怖い挑戦者だ。何よりパンチがある。
さて、新人王戦に出ていない赤穂選手が、日本ランキング入りのきっかけを掴んだのは、協栄ジム主催のガッツファイティングのリング。佐藤選手の後輩。2007年度のSフライ級全日本新人王・古川高広(協栄)選手との試合だった。
9勝1分同士の8回戦は、2008年7月21日、サーシャ・バクティン(協栄)vs梶山友樹(平石)戦をメインとした興行で行われている。
「このくらいのカード組まないと」(大竹マネジャー)
まさに、「勝った方が上に行く」という組み合わせで、「上を狙ってるなら、勝たないとね」という勝負所。
長身テクニシャン古川選手はパワーには欠ける(KOなし)が、抜群の距離感を活かしたジャブと、遠い距離からの右ストレートを武器に勝ち上がってきた。ボクシングスタイルとは対照的に強気な性格でもあった。
一方の赤穂選手は9勝中(5KO)。試合は強打をふるって前進する赤穂選手が主導権を握り、古川選手は捌ききれず、ついに7回TKOで敗れる。赤穂選手はうれしいランク入り。
あれから4年、勝者は世界の舞台へ駒を進め、敗者はこの試合から2年間リングを遠ざかる。その後カムバックし、1勝を上げるも、今度は完全にリングから離れた。
洋太チャンピオンには、古川選手の無念もぜひはらしてほしい。
12月31日 大みそかボクシングスペシャル 21時30分~ TV東京
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