22日、兵庫県神戸市立中央体育館。長谷川穂積(真正)vsアルツロ・サントス(メキシコ)戦と同じリングで、WBC世界バンタム級王者山中慎介(帝拳)選手への指名挑戦者を決める、挑戦者決定戦が行われた。
赤コーナーから登場は、世界王座カムバックのチャンスを得るため、比国から真正ジムへ移籍してきた元WBC世界フライ級王者マルコム・ツニャカオ選手。
山下正人会長とのコンビでWBC世界バンタム級1位まで上り詰めてきた。
気合と緊張が交錯する師弟コンビ。
対戦相手はWBC同級3位クリスチャン・エスキベル(メキシコ)。昨年11月、山中選手との王座決定戦に敗れた後、再起戦で北米王座を獲得している26歳。これまで、26勝(18KO)3敗の戦歴を誇る。
試合開始。
前に出るエスキベルに対し、ツニャカオ選手はフットワークを使い、機を見てコンビネーションブローを打ち込む。
鋭い右ブローを放つエスキベルだが、ツニャカオ選手には届かない。
立ち上がり試合の主導権を握ったツニャカオ陣営。
第4ラウンドが終了し発表された途中採点は、ジャッジ三者共に40-36でツニャカオ選手のリード。
前に出ながら繰り出されるエスキベルの強打は、空を切り続けた。
次期指名挑戦者の戦いぶりを観戦する山中選手、大和トレーナー(中央)、元王者西岡利晃氏(右)。
5回以降も攻めるエスキベルを、ツナキャオ選手が余裕を持ってさばき、コンビネーションを打ち込む。
第6ラウンドが終わって、ジャッジ2者はツニャカオ選手のフルマーク。
そして第7ラウンドを迎えた。
観戦する帝拳ジム・本田明彦会長。
ツナキャオ選手の右アッパーで、エスキベルは大きく後退。
すかさず追いかけ一気の連打を見舞うと、エスキベルは前のめりにダウン。
デビット・メンドーサ主審は、即座に試合をストップ。
第7ラウンド2分10秒、ツナキャオ選手がTKO勝ちで、次期指名挑戦権を獲得した。
JBCの坂本さんとWBC立会人のメジャー・リー氏(韓国)。太平洋戦争中、予科練に所属。日本語は完璧。
第6ラウンドまでのスコアシート。
失意のエスキベル。
勝負の明と暗。
安堵のツナキャオ。
「本当は(WBA王者の)亀田興毅とやりたかった。山中さんは本物の王者だけど、僕は(WBC4位の)亀田和毅より先にファイトします」
勝者は12年ぶりの世界王座返り咲きに意欲を見せた。
「来春、ツナキャオの挑戦を受ける」と王者陣営本田会長が明言。
チャンピオン山中選手も、「負ける気がしない」と受けて立つ構え。
楽しみな試合が実現する。
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