WBC世界ライト級1位にランクされる荒川仁人(八王子中屋)選手は、11月24日(日本時間25日)メキシコでWBC同級2位ダニエル・エストラーダ(メキシコ)と対戦。これはWBCが指令した世界王座指名挑戦者決定戦で、エストラーダが保持する同級シルバー王座も賭けられる。
30歳のOPBF王者はプロ9年目。これまで23勝(15KO)1敗1分。身長173センチのサウスポー・スタイルで、粘り強いボクシングを展開する技巧派。8月、大ベテランの嶋田雄大(ヨネクラ)選手を降し、勢いに乗る。
一方のエストラーダは、29勝(22KO)2敗1分。身長179センチの27歳。8月、エイドリアン・バーダゴ(メキシコ)に11回TKO勝ちしてシルバー王座を手に入れた試合が評価され、WBC月間最優秀選手に選ばれているが、この試合は逆転。10回までは劣勢に立たされていた。
敵地での勝負となるが、決して勝てない相手ではない。
日本人選手も海外でチャンスを掴む時代。荒川選手はこのたくましいマッチメイクを乗り越え、最近は稀である日本人指名挑戦者として、夢の世界戦へとつなげてもらいたい。きっと後に続く選手も現れることだろう。
1967年暮れ、10回戦経験が2度という西城正三(協栄)選手がロサンゼルスへ遠征し、すぐの試合もメキシコで行われた。この試合はキャリア60戦を越す相手に判定負けだったが、西城選手は「これならやれそうだ」と逆に自信をつけた。
無敗の世界ランカー、ホセ・ルイス・ピメンテル(メキシコ)に勝ち、自力で”世界10位”の肩書きを掴んだ西城選手に、飛ぶ鳥を落とす勢いの世界フェザー級王者ラウル・ロハス(米)から声がかかったのは、そのすぐ後。
金平正紀(協栄ジム初代)会長は、「大事な選手が壊される」と心配したが、西城選手のたっての願いでロハス戦は実現し見事に勝利。そして、再戦でもロハスを降し世界フェザー級王座を手にいれた西城選手は、勇躍日本へ凱旋。”シンデレラボーイ”の称号が贈られた。
誰に見送られることもなくロサンゼルへ旅立ってから僅か9ヶ月。ピメンテル、ロハスとの2連戦が西城選手に光をもたらした。チャンスは目の前、まず行動から。
勇気ある決断をされた八王子中屋陣営の健闘を祈ります。
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