米カリフォルニア州カーソン、ホーム・デポ・センター(13日・日本時間14日)。4階級制覇のWBO世界Sバンタム級王者ノニト・ドネア(比)に、WBC世界同級名誉王者西岡利晃(帝拳)選手が挑戦。初回、様子を伺う西岡選手に、ドネアは仕掛けてきた。
第4ラウンド終了。
激しくブーイングにも、「そんなのは関係ない」(西岡選手)
西岡陣営の作戦は、序盤は守り、中盤以降に最大の武器である左ストレートを決めてのKO狙い。
「狙い通り。4回ぐらいまではほとんどまともにパンチは受けていない」(帝拳ジム・本田会長)
しかし、西岡選手の右ガードが高いと見たドネアは、前かがみになる西岡選手に左アッパーを多発。これは怖いパンチだ。
ついに第6ラウンド。左アッパーを受けた西岡選手はダウン。
ドネアのシューズ(左足)には、日本人ファンから贈られた御守りが付けられている。
ダメージは感じさせず、西岡選手はすぐに立ち上がる。
その後も、ドネアは執拗に左を下から突き上げた。
第7ラウンド。劣勢を意識した西岡選手は、待機策一辺倒からの脱出を試みる。
しかし、打ち合いはドネアも望むところ。
8回はジャッジ2者が初めて西岡選手にポイントを与えた。
だが、ドネアは誘い込みカウンターのタイミングを計っているように見えた。
そして迎えた第9ラウンド。西岡選手の左がドネアをロープ際に追い詰める。
さらに追い打ちに入る西岡選手。
「いくしかないし、倒すしかないと思っていた」(西岡選手)
だが、それを待っていたかのようにドネアの右が真っ直ぐ放たれた。
次の瞬間、西岡選手はキャンバスへ落下。
それでもすぐに立ち上がり、戦闘姿勢を示す。
しかし、試合はここまで。
本田会長の指示でセコンドがコーナーに上がり試合の停止を求めると、ラウル・カイス主審はためらわず試合をストップ。
TKOタイム9回1分54秒。
ドネアは素晴らしかった。強い!
スコアカード。西岡選手がポイントをあげたのは8回のみ。
「左を打てば当たるんだけれど、西岡本人が当たらないように感じてしまっていた。(ドネアとの距離が)すごく遠くに感じていたようだ」(本田会長)
ドネアは対戦相手のそんな感情を見逃がさず、試合をコントロール。精神的にも強いところを見せた。
下写真左は、マーク・リースWBO立会人(米)。
最終的に6階級制覇を目指すというドネア。右となりはWBOバルカッセル会長。
試合後、「悔しい」と何度も繰り返した敗者だが、この試合に向けて「一点の曇りもなくすべてをかけた。その気持ちとやってきた練習には満足」と、ようやく笑顔を見せた。
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