米カリフォルニア州カーソン、ホーム・デポ・センター(13日・日本時間14日)では、世界Sバンタム級の頂点を決める戦いが始まろうとしていた。
観衆は7665人。セミファイナルを前にリング上では、4人の歌手(日、比、米、墨)が、それぞれの国歌を歌い上げた。”君が代”を斉唱したのは、山田純夫氏。3年前、西岡利晃(帝拳)選手がメキシコでジョニー・ゴンサレス(メキシコ)を、モンスター・レフトで仕留め、世界に名を売ったリングでも山田氏は歌っている。
「本田会長もゲンを担いでくれて」
山田氏のジャケットには、崇拝する元プロボクサー・歌手のジョー山中氏のサイン入りミニグローブが収められていた。
「ジョーにも、応援してもらおうと思って・・・」
撮影は、フィリピン人カメラマン、エド・デラベガ氏。
リングサイドには、元世界王者徳山昌守氏の姿もあった。
中央は西岡選手と同じ兵庫県出身、同学年の元世界王者佐藤 修 氏。西岡選手との親交は長い。
左でカメラを持つのは、元日本ミドル級1位の北村雅英(トミーズ雅)氏。
WBCダイヤモンドベルトを持つ美女の隣は、クレイグ・ホブルWBC立会人(米)。
WBC世界Sバンタム級名誉王者西岡利晃(帝拳)選手の入場。
デビューから18年。数々の挫折を味わってきた男が、今、夢の舞台に立つ。
ゴングを前に気合十分の西岡選手。今日の試合はボクシング人生の集大成を賭けた試合となる。
赤コーナーから登場は、WBO世界Sバンタム級王者ノニト・”フラッシュ”・ドネア(比)。
「西岡は最強の相手」だけに、4階級制覇王者からも強い緊張感が漂う。
元世界王者ロベルト・ガルシアトレーナーとドネアのコンビ。
緊張と不安が混ざり合った表情が、戦う男の顔に変わった。
コールするマイケル・バッファーも力が入る。
後はやるのみ。
帝拳陣営、愛弟子を送り出す葛西、田中両トレーナー。
鋭い目つきでドネアを見つめる西岡選手。
主審は、坂田・パーラ第2戦等で来日経験も豊富な、ロサンゼルスにオ拠点を置くラウル・カイス。
いよいよ運命のゴングが鳴った。
先に仕掛けたのはドネア。
比国人記者からも、「ドネアは西岡の動きをゆっくり見ていくべきだ」との意見があった。
ただし、ドネアはただじっと黙って見てはいない。
速いコンビネーションを繰り出し、打ちながら最強の相手の反応を見切わめている。
西岡選手も目をそらさず、ドネアの動きを肌に感じさせるているのだが。
さすがにドネア。大試合での経験値が違う。これは強い。 = 続 く =
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