暫定王者でもないのに1位にランクし、指名挑戦者として権利を与え入札まで指示。落札までされたのは良かったが、一転WBO王座狙いに方針変更。WBA世界フェザー級タイトルマッチをソデにした男、ミゲル・アンヘル・ガルシア(米)が、いよいよWBO王者オルランド・サリド(メキシコ)に挑む。
サリド。
試合は11月3日(場所未定)に予定。歴戦の雄サリドは、最初の4年間で8勝(4KO)6敗(5KO負け)1分と、見事なまでの脇役選手。「打たれもろい」のレッテルは、きわめて正しいという戦歴。しかし、ここから米国に主戦場を移したサリドは快進撃。
世界の第一線で活躍するようになるが、世界王座獲得までデビュー(4回TKO負け)から14年の時間を要した努力の人。そのボクシング・スタイルは、まさに”いぶし銀”。キャリアに培われた、目に見えない強さを持っている。39勝(27KO)11敗2分。31歳。
対するガルシア(24歳)は、6年のプロキャリアで29戦全勝(25KO)。現在7連続KO中の強打者。マネジャーは、ノニト・ドネア(比)、ティモシー・ブラッドリー(米)らと同じキャメロン・ダンキンで、あっさり世界獲得となると、一気に世界フェザー級戦線の主役に踊り出る。
ガルシア。
打撃戦にはめっぽう強いサリドを簡単に粉砕してしまうのか、それともファン・マヌエル・ロペス(プエルトリコ)のように、キャリアの前にかぶとを脱がされるのか。被弾は多いが、そこからがしぶとい王者だけに、簡単にはいかないような予感はするが、果たしてどうか?
さて、ガルシア陣営にコケにされた形のWBAは、フェザー級正規王者セレスティノ・カバジェロ(パナマ)に対し、2位ニコラス・ウォータース(ジャマイカ)との指名戦を指令。興行権は再び入札によって決められる。
意地の指名試合指令というところだが、ともかく各階級平等、公平に指名試合は行うべきで、1位は空位なのに指名戦を指令するWBAは理解できない。WBAメンドサJr副会長の、カバジェロのロヘリオ・エスピーノプロモーターへの”私恨”が、そこまでさせるとするならば、これも間違った話。
WBAランキング表には、”Last Mandatory”の期日表記が全階級で消えている。もうWBA自体が、「わからなくなってしまった」のではと思う次第です。都合によって思い出すんでしょうけど、それではダメですね。
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