世界タイトルマッチで規定ウェイトを作れず計量失格。王座剥奪となった前WBO世界バンタム級王者マーロン・タパレス(比)の新たな狙いは、WBO世界スーパーバンタム級王者ジェシー・マグダレノ(米)。
タパレスは4月23日に行われた大森将平(ウォズ)選手とのタイトル戦の前日計量でリミットオ53.52キロを800グラムオーバー。すぐにサウナに直行し、約2時間後に再計量に挑んだが900グラム超過でギブアップ。王座を剥奪されたものの、試合当日は約61キロに増量して試合に挑んだ。
そして試合では大森選手の顎を割り、11回TKO勝ち。試合後、すぐに階級アップを計ったタパレスは、まんまとWBO世界スーパーバンタム級3位にランクイン。
王者マグダレノは同級1位セサール・フアレス(メキシコ)との指名戦が予想されており、2位のノニト・ドネア(比)は、フェザー級へ上がることがほぼ確実で、早速、指名戦勝者への挑戦を見込んでのアドバルーンを上げている。
当日計量の時代では考えられなかった事ですが、前日計量となってからは、僅かな体重超過であっても再計量を放棄したり、ファイトマネーが高い選手は、相手側に支払う罰金までも見越しての明らかな確信犯的オーバーウェイトも目につきます。そして、そんな選手が勝ってしまう。
少し前、メジャー4団体の試合ルール統一などという話もありましたが、その前に競技としての共通事項であるウェイト=計量だけでも同じルールにして、この競技を公平かつ、安全に行うことを協議し、実行していかないと、ウェイト制スポーツの根本が揺らぐ。
10年前の2007年3月。坂田健史(協栄)選手が、WBA世界フライ級王者ロレンソ・パーラ(ベネズエラ)に挑んだ時も、パーラは前日計量で53.2キロを計測。これは来日した時とほとんど変わらない。1時間半後の再計量は52.9キロで、ここで王座剥奪。
この時は坂田選手が食事を終えた後に連絡が入り、当日計量(確か午後4時)リミット53.5キロが設定されたことを知らされた。パーラは何とか次の日まで我慢してクリアしたが、すぐにファミレスに直行。飢えを満たした。
控室。バンテージ巻き。パーラは、ガーゼを握りハチマキ風に巻いたものを手の甲に乗せた。これは3度目となるパーラ戦での立ち合いで初め見たが、いくらなんでもやりすぎ!。即座に中止させスーパーバイザーを呼んだ。若い方だったが、興奮気味に「ノー」と言ってくれました。パーラとラモス・トレーナー、途端に不機嫌になりましっけ。
各団体によってルールはまちまちですが、体重超過した選手が試合に出場する場合には、その選手だけには(坂田選手はやりましたが)規定を設け、当日計量を義務付けた方が良いと思います。
大森選手にも回復してから、この経験をバネに頑張ってほしいと思いますし、2年前に同じような経験をした粟生隆寛(帝拳)選手に対しても、あれで終わってほしくないと願っているファンは多いのはないでしょうか。捲土重来!。
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