11月28日、仙台のリングで江藤光喜(白井・具志堅S)選手を破り5度目の王座防衛を果たした、WBC世界スーパーフライ級王者カルロス・クアドラス(帝拳・メキシコ)は、「16年はINOUEと戦いたい!」と、WBO世界同級王者井上尚弥(大橋)選手との、王座統一戦へ強い意欲を見せている。
江藤選手を相手にした試合では、これまでにないスピード・ボクシングを披露。終盤もそのスピードは落ちることはなく、豊富な練習量と確かなテクニックで、江藤選手に付け入る隙を与えなかった。
クアドラスの次期防衛戦は、前王者で同級1位にランクされるシーサケット・ソールンビサイ(タイ)との指名試合。昨年5月の初戦はメキシコシティで行われ、地元のクアドラスが8回負傷判定勝ち(78-73、77-74、77-75)で載冠を果たしたが、ポイント差以上に試合は拮抗していた。
左強打で突っ込むシーサケットを、クアドラスが迎え撃つ展開で試合は進む。4回、バッティングでクアドラスが左目上をカット。シーサケットは減点1。7回はタイ人のボディでメキシカンの体が折れた。そして8回、再度のバッティングでクアドラスにドクター・チェックが入り試合終了。
「再戦も問題なく勝つ」とクアドラスは強い自信を表しているが、シーサケット陣営は消化不良で終わった試合直後から、再戦への強い意欲を見せており、今度の指名戦はタイ開催を狙っていると思われ、今後の交渉に大いに注目。
クアドラスがこの指名戦をクリアし、井上選手が今月29日の指名戦、次に予想される前王者オマール・ナルバエス(亜)との再戦(オプション)を消化すれば、来年後半にはクアドラスvs井上戦実現の可能性も出て来る。
そしてクアドラスは、同じTEIKENプロモーションにサポートされるローマン・ゴンサレス(ニカラグア)との戦いにも、「やりたい」と希望。ロマゴンの階級アップを待ち構えている。
世界スーパーフライ級戦戦。今後が楽しみです。