かつて来日し、長谷川穂積(真正)選手の3階級制覇の野望を打ち砕いた男、前IBF世界スーパーバンタム級王者キコ・マルチネス(スペイン)が再起へ。11月14日(現地時間)、スペイン・ラスパルマスでの復帰戦(相手未定)が決まった前王者は、「再びチャンスを掴んで見せる!」と、やる気を見せている。
長谷川選手を降し2度目の防衛を果たしたマルチネスは、荒々しい戦闘スタイルとは対照的な紳士的態度で日本のファンにも好感を与えた。
V3戦は英国へ渡り、一度敗れているカール・フランプトン(英)の挑戦を受けたが、12回判定で敗れ王座陥落。1階級下げ、バンタム級での2階級制覇に挑む姿勢を見せていたが、WBA世界スーパーバンタム級の正規王者スコット・クイッグ(英)から挑戦の打診があり、これを快諾。
今年7月、勇躍、英・マンチェスターへ乗り込みクイッグに挑戦。戦前、特に専門家の間ではマルチネスの休みないアタックが、王者を苦しめるだろうとの見方も強かった。
試合は初回、優勢に進めたマルチネスが第2ラウンドも前に出る。その出鼻にクイッグの右アッパーがカウンターとなって炸裂。この一発でトラブルに陥った挑戦者は、2度のダウンを奪われ、無念のTKO負けで王座返り咲きの夢を絶たれた。
まさかというショッキングな敗戦だったが、どうやらマルチネスの心は折れておらず、一ヵ月という短いスパンで戦線復帰を決めてきた。
考えるよりも、前に進むことが大事。
マルチネス29歳、32勝(24KO)6敗。今後も、”センセーション”の異名通りのファイトで、世界のファンを楽しませてくれることを期待したい。