ボクシング界の超新星・田中恒成(畑中)選手が、いよいよ5月30日、愛知県小牧市のパークアリーナ小牧で、フリアン・イエドラス(メキシコ)とのWBO世界ミニマム級王座決定戦に挑む。小学校5年生からボクシングに手を染めた19歳は、元世界王者の畑中清詞会長と共に、国内最速世界王座奪取を狙う。
1991年、眼疾で引退を余儀なくされてから3年間。元世界王者は方向性が掴めず、悶々とした日々を送っていた。それを打開したのは、5度目の世界挑戦で世界王座を掴んだものの、初防衛戦で逆ホームタウンデシジョンで王座喪失。防衛記録「0」で引退した花形 進 氏。
「俺なんか、雇われて焼鳥焼いてたよ!」
それが選手時代ではなく、現役引退後のことだと知った畑中氏は一念発起。ボクシングジム開設の費用を貯めるため、現場仕事でひたすら働いた。そして念願のボクシングジム開設。5人の練習生からスタートしたジムからは、杉田竜平選手、中野 博 選手らが育って行った。
「博のパートナーは、秋田君しかおらんですわ」
1999年。畑中会長はメルビン・マグラモ(比)の持つ、OPBFフライ級王座挑戦が決まった中野選手を連れて、東京にスパーリング合宿。セレス小林(国際)選手の持つ日本王座挑戦が決まっていた、ブルファイター秋田勝弘(協栄)選手とスパーを重ねた。
畑中会長と大竹重幸・元協栄ジムマネジャーは、「先生」、「キーちゃん」という間柄。愛弟子のために熱心に寄り添う畑中会長を見た大竹氏の、「こういう会長が、選手を作って行くんだよ」は、今も印象に残る。
その後も交流を続ける畑中会長のマイボーイが、ついに念願の世界タイトル戦を迎えた。
世界1位イエドラスは、24勝(13KO)1敗の27歳。田中選手の4戦全勝(2KO)に対し、5倍のキャリアを誇るが、田中選手のスピード・ボクシングがフルに機能すれば、王座獲得の可能性は大きい。カギとなるスタミナも、この師弟コンビなら心配にならない練習を積んでいるはず。
試合のチケットも残り少々で、期待の高さを伺わせる。 → チケットぴあ
試合の模様はCBSテレビが5月30日、午後4時から放映。関東地区でもTBSが放映。
好試合を期待!。