2日、タイで行われたWBC世界フライ級タイトルマッチは、通算24度目の王座防衛戦となった王者ポンサクレック・ウォンジョンカム(タイ)が、伏兵ソニー・ボーイ・ハロ(比)にまさかの6回KO負けで王座を失った。
まさに衝撃、驚きのポンサクレックKO負け。(たくさんのコメント、ありがとうございます)
34歳のチャンピオンが選んだ相手ハロは、前回の防衛戦で初回47秒負傷引き分けとなった向井寛史(六島)選手に敗れている選手。WBCから義務付けられている同級1位五十嵐俊幸(帝拳)選手と対戦する前の小手調べとして、「手ごろな相手」を選んだと感じていた。
29歳の新王者ハロは34勝(24KO)10敗5分。身長159センチの、「当たったら、パンチはありますよ」というファイター型の突貫スタイル。
2008年9月、エドガル・ソーサ(メキシコ)の持つWBC世界Lフライ級タイトル挑戦は大差判定負け。09年11月、WBA世界Lフライ級王者だったジョバンニ・セグラ(メキシコ)戦では、初回僅か65秒、ボディブローでKO負け。2010年10月、WBC世界Sフライ級シルバー王座を賭けたオスカル・イバーラ(メキシコ)との試合では、初回から倒されたあげく2回1分15秒でKO負け。
イバーラは次戦で、杉田純一郎(ヨネクラ)選手にきわどい判定勝ち。昨年9月、WBC王座挑戦者決定戦でシルベスター・ロペス(比)に8回TKO負け。最新の2月の試合では、元指名挑戦者ファン・ホセ・モンテス(メキシコ)に判定負けという選手。
それでも世界ランク15位に残っていたハロを大阪に呼んだのが、六島ジム・枝川会長。昨年2月、向井選手は会長の期待に応え、プロ5戦目で世界ランクを獲得した。スコアは、99-92が2者と99-93の大差。
ハロは向井戦以後4連続KO勝利を記録しているが、相手は全て負け越している選手。それでいて世界ランキングが一桁に上昇していたのに驚いていた。ハロはそんな程度に見ていた選手である。
「枝川会長もしびれちゃいますねェ」(^-^)/
「なんというか、”因果よのう”ですよ!」(-。-;)
ポンサクレックはキャリア初期にKO負けがある。デビュー以来7連続KOの快進撃を続けていたタイのホープは、ジェリー・バハヤハイ(比)と対戦。呼ばれればどこへでも出かけていく比国人は、日本のリングにも何度も登場したが勝てなかった。生涯戦績は43勝(14KO)54敗4分。
しかし、ポンサクレックは8回判定負けで初黒星を喫する。その後、二つのKO勝ちを追加した96年7月、満を持してバハヤハイとの再戦に挑むが、ここで、ポンサクレックは痛恨の5回KO負けを喰らってしまう。
比国人はポンサクレック初戦後3連敗。後楽園ホールでロッキー・リン(ロッキー)選手に完封負け。世界王座を追われたばかりのチャナ・ポーパオイン(タイ)にも敗れていた。
そんな相手にKO負け。いたたまれない気持ちになり、自分の才能に見切りをつけ、ここで終わっていくホープはこの世界、数知れずいる。
だが、ポンサクレックはここから這い上がっていく。
真面目な強い心は持って生まれたものもあろうが、このバハヤハイとの2連戦が、ボクサーポンサクレックを強くした原動力ではないかと思う。89戦のプロキャリアの中で、その後の敗戦は内藤大助(宮田)選手に敗れた星と、ハロ戦のみ。
昨年10月、指名挑戦者エドガル・ソーサ(メキシコ)を撃退した時は、「まだまだやるなァ」と感じたものでしたが、まさかあんな形で倒されるとは。まさに”巨星絶つ!”といった表現がピッタリの最後だったように思います。
34歳。83勝(44KO)4敗2分。通算23度の防衛記録は素晴らしい。
ポンサクレックの仇は、指名挑戦者五十嵐選手に期待!
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