IBF世界ミニマム級タイトルマッチ12回戦。チャンピオン高山勝成(仲里)vs挑戦者ファーラン・サックリン・ジュニア(タイ)。同一階級メジャー4団体の王座獲得を果たした高山選手の初防衛戦。22日、大阪府立体育会館。
挑戦者ファーランは、27勝(15KO)3敗1分の21歳。2013年大晦日、大阪で元世界王者宮崎 亮 (井岡)選手に3回KO勝ち。しかし昨年4月、東京での井上拓真(大橋)選手との試合では、大差の判定負け。
右は同行したIBF世界フライ級王者アムナット・ルエンロン(タイ)。隣はプロモーターのジミー。
長年コンビを組む高山選手と中出トレーナーのコンビ。息はピッタリだ。
中村勝彦主審の注意を聞き、いよいよ試合開始ゴング。
いきなり攻めて出たのはチャンピオン。
スロースターター返上。高山選手が積極的にエンジン全開かと思わせる攻撃を見せた。しかし、ファーランの放つ右アッパーカウンターは、怖いタイミングだった。
第2ラウンド。
試合は忙しいボクシングで挑戦者を攻めるチャンピオンのペースへ。
第3ラウンド。
鋭い右ストレート、アッパーのカウンターで対抗する挑戦者だが、王者の回転の早いボクシングに引きずり込まれ、スタミナが心配される。
第4ラウンド。
高山選手がファーランをロープ際に追い込み、自慢の連打で攻勢。随所で放つ左ボディは効きそうだ。
第5ラウンド。
試合はすっかり高山選手のペース。落ち着いた表情で中出トレーナーの指示を聞くチャンピオン。
TBS放送席解説は元王者、鬼塚勝也氏、内藤大助氏の二人。
第6ラウンド。
第7ラウンド。
しかし、2度目のドクターチェックで試合は停止。
9回2分19秒、負傷判定。勝負の行方はここまでのスコアで決められる。
スコアはタイ人ジャッジが86-85、日本の島川氏は90-81、中立の韓国人ジャッジが87-84で、いずれも高山選手を支持。
4団体の世界チャンピオンベルトを掲げ、勝利ポーズの高山選手。
「海斗勝ったぞ!」
かつて高山選手のスパーリング・パートナーを務めた服部海斗氏が、2月24日に慢性骨髄性白血病のため17歳の若さで他界。王者はトランクスに喪章をつけて、この戦いに挑んだ。
「海斗と一緒に戦いました」
まずは35針縫った両目上の傷を完治させることになる高山選手には、WBA世界同級正規王者
ヘッキー・ブドラー(南ア)と、モナコで王座統一戦の話もある。今後に注目。