GBP(ゴールデン・ボーイ・プロモーション)の設立者であり、現在社長を務めるオスカー・デラホーヤが、昨年6月に同社を辞任した最高経営責任者(CEO)リチャード・シェイファーに対し、5000万ドルの損害賠償を求めて提訴、契約により非公開とされていた裁判は、このほど「和解」が成立。
今後、シェイファー(上写真)は盟友フロイド・メイウェザー、アル・ヘイモンのグループで、ビジネスの最前線に復帰することになった。
これと同時してGBPは、エイドリアン・ブローナー、ダニー・ガルシア、デオンタイ・ワイルダー、マルコス・レネ・マイダナ、ダニエル・ジェイコブスら、主力選手のプロモート権を一方的に放棄することを発表。
「和解」と主力放出で、デラホーヤはヘイモンから実質的な金銭補償を受けたものと推測されている。
2002年、デラホーヤがトップランクから独立する形で設立されたGBPは、スイスのエリート銀行家だったシェイファーを、デラホーヤが熱心に口説き、三顧の礼を尽くして最高経営責任者(CEO)に迎え入れて出発。
メイウェザーを陣営に取り込むなど、シェイファーはGBPの発展に大きく寄与。ヘイモンと組んでGBPのビジネスを推進して来たが、ヘイモンによるGBP買収をデラホーヤが納得しなかったことで辞任に至った。
シェイファー辞任後の昨年10月、GBPの株式20%を持つ大株主アンシュッツ・エンターテイメント・グループと、12%を保有するガブリエル・ブレナーが、株式の買戻しを要請。デラホーヤは要請に応じ株式を買い戻した。
この結果、GBPの株式保有率はデラホーヤ87%、シェイファー8%、バーナード・ホプキンスが5%となっていたが、今回の「和解」でシェイファーはGBPの株式を譲渡することになる模様。
ヘイモンは3月から米国4大ネットワークの一つ、NBCがスタートするボクシング番組を提供して行くことが決まっており、来週水曜日(現地時間)にはニューヨークでその発表会が行われる。まさに絶妙のタイミングでの「和解」発表となった。
思い切ったことを発案、やってのけるシェイファーだが、「どんなに小さなマスコミからの取材でも、忙しい時には、必ず後から自分で連絡を入れていた」というマメさも持っており、そのへんが「そんなことは一切しない」というデラホーヤとは異なる。
さて、ヘイモンの後を追うように音楽業界からボクシング・ビジネスに参入してきた、ジェイ・Z率いるロック・ネイション・スポーツは、ゲイリー・ショープロダクションを買収合併。
2015年、変わりつつある米国ボクシング界の動向に注目!。