スーパー、正規、暫定、全ての世界王座?が奇跡的に空席になっているWBA世界ライト級王座。正規王座は、4月14日ラスベガスで対戦する前王者で同級3位のブランドン・リオス(米)と、4位ユーリオルキス・ガンボア(キューバ)の間で争われることが決まっている。
リオス。
オーバーウェイトで王座を取り上げられたリオスは、29勝(22KO)1分。一方の前フェザー級王者ガンボアは21戦全勝(16KO)。体格で劣るガンボアが、新トレーナー、エマニュエル・スチュアートの下で、どんな戦いぶりを見せるのか。
ガンボア。
ここを圧勝するようなら、一気に世界ライト級戦線の主役に躍り出ることになろう。
WBC王者アントニオ・デマルコ(メキシコ)は、3月17日故郷ロスモチスで、WBC世界Sフェザー級17位にランクされる同胞ミゲル・ローマン相手に初防衛戦に挑む。26歳の挑戦者は37勝(28KO)9敗。
前戦でWBC世界フェザー級7位ハビエル・フォルツナ(ドミニカ)に、初回ダウンを奪われての判定負けを喫したばかり。身長165センチと小柄ながら、これまでKO負けがないのが特徴だが、デマルコがどんな戦いぶりを見せて料理するのかに興味が集まる。
昨年10月の王座決定戦でデマルコに大逆転負けを喫したホルへ・リナレス(帝拳)選手の再起戦も、3月30日メキシコでセットされている。両選手が共に勝てば、WBCから義務付けられている再戦が実現するだろう。
世界ライト級王者。1974年、日本で初めてこの称号を得たガッツ石松(ヨネクラ)選手は、11敗(27勝)もしながら頂点を極めた。負けを肥やしにして世界王座を獲得し、5度の防衛に成功したのは素晴らしい。その後日本リングでは、なかなか石松選手のようなタイプは出てきませんね。
海外では。1993年1月、トレーシー・スパン(米)とのIBF世界ライト級王座決定戦を制し王座に就いたフレディ・ペンドルトン(米)の33勝(22KO)17敗4分という戦歴は渋かった。
1981年11月のデビュー戦は判定負け。6戦目までで2勝(1KO)4敗。85年10月1日、初めてのタイトル戦でペンシルバニア州Sライト級王座に挑戦する前まで3連敗で、12勝(4KO)12敗1分。しかし、ペンドルトンは12回戦のこの試合で、6回TKO勝ち。初めてチャンピオンになる。
それから僅か一月半後の11月20日、ペンシルバニア州王者はビッグチャンスにめぐり合う。時のIBFライト級王者ジミー・ポール(米)からの対戦オファーを受けたペンドルトンは、アトランティックシティへ飛ぶ。そしてこの試合で思わぬ善戦を演じる。
判定で敗れたものの一人のジャッジは5-5(ラウンドシステム)のイーブンとし、残る二人のジャッジも4-6、3-7とスコアする接戦だった。この試合でペンドルトンは何かを掴んだのかもしれない。
86年に入り、元世界王者ロジャー・メイウェザー(米)を6回KO。7月には1年前にKO負けしていたフランキー・ランドール(米)と全米王座を争い12回引き分け。87年4月、前WBA世界ライト級王者リビングストン・ブランブル(米)とも10回を引き分けた。
タイトルがかかったり、大物との対戦に強いのは石松選手と似ているのかもしれない。そして、どこへでも出かけて行った。
初めての世界挑戦は90年2月、あのパーネル・ウィテカ(米)の持つIBF&WBC世界ライト級王座に挑んだ。しかし、これは12回判定負け。だが、この試合以降負け知らずでペンドルトンは世界を掴む。元フェザー級王者ホルへ・パエス(メキシコ)から2度のダウンを奪う圧勝でV1に成功するが、防衛はこの一度だけ。
「フィアレス」(恐れを知らぬ)と自らを言い、「ブルーカラーの勇士」と名乗っていたペンドルトンはこの後階級を上げ息の長い選手生活を送った。全盛のフェリックス・トリニダード(プエルトリコ)とも対戦(5回KO負け)している。
生涯戦績47勝(35KO)26敗5分。よくまとまったボクサー型で、右ストレートの強い好選手でした。
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