22日、代々木第2体育館。WBC世界バンタム級タイトルマッチ。チャンピオン山中慎介(帝拳)選手7度目の防衛戦は、元Sフライ級王者で現同級1位スリヤン・ソールンビサイ(タイ)を相手に行われた。
25歳の挑戦者は、バンタム級転向以来17連勝中。37勝(16KO)5敗1分。
自信を胸にリングに登場のチャンピオン。今日も倒すと、具志堅用高(協栄)選手の持つ「世界戦6連続KO」の記録に並ぶ。
赤コーナー下では帝拳陣営、本田会長と長野マネジャーが見守った。
試合開始。闘士満々の挑戦者は、いきなりの右で王者に奇襲を仕掛けた。
上下に右を散らして、王者をかく乱するスリヤン。初回はスリヤン優勢。
2回。挑戦者は右から得意の左フックへ繋げて前に出る。このラウンドもスリヤンが奪った。
第3ラウンド。山中選手の”ゴッド・レフト”は空を切る。
戦況を見つめる帝拳陣営。
威力こそないが、スリヤンの右はタイミング良く、王者の機先を制するには十分の効果があった。
第4ラウンド終盤。王者は左ボディアッパーに右フックを交えた連打でポイントを挽回。
4回終了後のスコアは、38-38、38-38、39-37で挑戦者がリード。
気をよくしたスリヤンは5回も前傾姿勢から前に出て攻勢をかける。挑戦者の踏み込みを一瞬待つ形となる王者。両者の頭がぶつかった。
落ち着いた表情で大和トレーナーの指示を聞く山中選手。
一方のスリヤンも闘士旺盛だ。
6回。接近ししつこい連打を見舞うスリヤン。しかし、ラウンド後半になると動きが止まり手数が止まった。
7回開始時点でのジャッジのスコアは三者三様のイーブン。疲れの見えてきた挑戦者に対し、王者はようやくエンジンがかかってきた。
山中選手の左ストレートがスリヤンのテンプルを捉えると、挑戦者は大きく後ろへ吹き飛ばされるダウン。
これは効いていたが、王者がニュートラルコーナーから離れるミスを犯したため、ローレンス・コール主審はカウントを中断し、山中選手に注意を与える。
僅かな時間だったが、スリヤンがテンプルからのダメージを回復するには十分で、「テンカウント」のタイミングは逃すことに。立ち上がった挑戦者は、終了ゴングに逃げ込んだ。
= 続く → 2 Yamanaka vs Suriyan WBC bantamweight title =