WBA世界フェザー級王座統一戦。スーパー王者ノニト・ドネア(比)vs正規王者ニコラス・ウォータース(ジャマイカ)の一戦は、戦前予想でウォータースが僅かに有利。5階級制覇王者ドネアの戦いぶりが注目された。18日(日本時間19日)米・加州カーソン・スタブハブ・センター。
ドネアのチーフセコンドは、ドネア・シニアが務めた。
正規王者ウォータースは24戦全勝(20KO)の数字を引っさげてリング登場。フライ級上がりのドネアに対し、絶対の自信をみなぎらせていた。
しかしラウンド半ば、ウォータースのパンチを後退しながら交わすドネアが、バランスを崩しスリップダウンすると、一転、正規王者がプレッシャーを強め前に出た。
第2ラウンド。スリリングな展開が続く。
ラウンド終盤。接近するウォータースに、ドネアの左フックがカウンターでヒット。
これは効いた。後退した正規王者は終了ゴングに救われた。
ペースを握ったドネアがウォータースに襲いかかる。接近戦で思い切ったパンチの応酬。
ここでウォータース得意の右アッパーが炸裂するとドネアはダウン。これは見えないパンチだった。
4回、距離を取るように指示されたドネアに対し、ウォータースは長い左ジャブを駆使し距離を支配。
ドネアは前のラウンドでカットした右目上からの出血で戦いにくそう。
ウォータースのチーフセコンドは、日本で渡辺二郎(大阪帝拳)選手の世界王座に挑戦した経験がある元世界1位セルソ・チャベス(パナマ)。
第5ラウンド。俄然優位に立ったウォータースが前に出る。出血が止まらないドネアは苦しい展開。
ドネアは得意の左フックを振るうが、その振りは大きくウォータースに見切られた。
ロープを背負ってウォータースの攻撃に耐えるドネア。厳しい戦いになった。
そして運命の第6ラウンドを迎える。
攻めるウォータース。意を決したドネアは左フックで迎え撃つ。しかし、強引に振り回す大きなパンチは空を切る。
成す術を無くしたドネアは、完全にウォータースの術中にはまった。
ドネアの右がヒット。続けて思い切った左フックを振り回したドネアだが、これを外したウォータースは強烈な右を打ち込む。
ヨロヨロと立ち上がったドネア。
しかし、ラウル・カイズJr主審はここで試合をストップ。第6ラウンド残り時間は後1秒だった。
歓喜の勝者と無念の敗者。キャリア初のショッキングなKO負けを喫したドネアだが、潔くウォータースの勝利を称えた。
スーパー王座を獲得したウォータースと、セコンドを務めたルディ・エルナンデス。
この日のメインに登場したマルコ・アントニオ・ルビオ(メキシコ)と同じ、キュキュレ親子にプロモートされるWBC世界フェザー級王者ジョニー・ゴンサレス(メキシコ)がリングサイドで観戦。戦前、勝者との対戦を希望していた。
デビュー以来の連勝を25(21KO)に延ばした28歳のウォータース。
ボブ・アラムはこの試合の勝者と、WBO世界同級王者ワシル・ロマチェンコ(ウクライナ)との戦いを示唆。実現が期待されます。