WBC世界Sライト級王者ダニー・ガルシア(米)と、同級1位ビクトル・ポストル(ウクライナ)の指名試合は、交渉期限が再三延期され、10日までに契約が完了しない場合は入札(10日)が行われることになっていたが、またもや延期。交渉期限は20日まで伸ばされた。
元々は9月12日に入札が開催されるはずだったこのカード。交渉延期はこれで4回目。WBCがなぜ、これほどまでに交渉期限を伸ばすのかは、大きな疑問として捉えられている。
さて、アル・ヘイモン傘下のガルシアは、最近WBO世界ミドル級王座を返上したピーター・クイリン(米・ヘイモンと契約)同様、「入札」に持ち込まれる興行には出場せず、このまま王座を返上するのではないかという見方が強くなっている。
WBC王座を返上した場合、ガルシアは”自由が利く”残るWBA同級のスーパー王座を防衛して行く可能性もあるが、ウェルター級に転向し、フロイド・メイウェザーJr(米)、マニー・パッキャオ(比)らのビッグネームとの対戦に乗り出す可能性は大。
ヘイモンの片腕サム・ワトソン(左)と、息子のマーカス(右)。
来年以降、ヘイモンはメインイベンツ社(キャシー・デュバ)に変わり、NBSスポーツと契約することが明らかになっている。これは2000万ドルで24試合分の放映枠を買い取るというもので、そのうちの4試合はプライムタイムに、地上波のNBCで放送される。
ヘイモン主催ファイトは、来年2月上旬のスーパーボウルの翌週に第1回目が予定され、毎月複数回提供されて行くことになる。その中でヘイモンはNBCに対し、SHOWTIMEとHBOからヘイモン・ファイターを撤退させることを約束。いよいよ米国ボクシング界、第3の勢力として自前の活動を開始する。
ヘイモンは、近い将来PPVを廃止し、ネット動画配信でボクシング番組を販売することを考案。既に然るべき投資機関から資金の調達も完了。スタッフも雇い入れており、新たな挑戦に踏み出した。今後が注目される。