「あの判定じゃ、みんな怒ってるんじゃないの?」
「世界的にパッキアオの負けはないとひどいもんですよ」(^_^;)
ラスベガス(日本時間10日)で行われたWBO世界ウェルター級タイトルマッチは、ファイトマネー20億円に、PPVのマージンが20億円といわれるスーパースターである王者マニー・パッキアオ(比)が、まさかの判定で敗れ、ティモシー・ブラッドリー(米)が新王座に就いた。
プロモーター、トップランク社のボブ・アラムは大激怒。「バカげた判定」と審判団を一刀両断。
「なんだか、サラテとピントール思い出しちゃいますね」f^_^;
今から33年前の6月。場所は同じくラスベガスのシーザース・パレス。WBC世界バンタム級王者カルロス・サラテ(メキシコ)は、同級1位ルペ・ピントール(メキシコ)の挑戦を受けた。これは指名試合。
両選手は、名匠クーヨ・エルナンデスをマネジャーとしていたが、この試合を前に両選手のマネージメント権が第3者に譲り渡され、同門対決は実現することになったのだ。
サラテ54勝(53KO)1敗。唯一の敗戦は、Sバンタム級王者ウィルフレッド・ゴメス(プエルトリコ)に喫したもの。しかし、バンタム級王座は9度の防衛に成功していた。だが、ゴメス戦を前にした頃からサラテは、「酒びたりで、練習不足」という噂が流れ、クーヨとの不仲も周囲の知るところとなっていた。
一方のピントールは、38勝(32KO)4敗。時折ポカはやらかすものの、初の世界挑戦に大張り切り。
ピントール、ダウン。
しかし、試合はやはりサラテが強く、第4ラウンドには得意の左フックでダウンを奪う。その後も、前に出るピントールをサラテが冷静に捌き、正確なカウンターを浴びせるという展開。
前に出続けた挑戦者だったが、さすがに疲れたラストラウンドは守勢一方のまま試合終了。チャンピオンはすぐに両手をあげ、勝利を確信。血まみれで最終ラウンド終了ゴングを聞いた挑戦者陣営は元気がなかった。
勝利を確信したサラテ。
発表されたスコアは、ボブ・マーティン(米)145-133でサラテ。しかし、ハロルド・バック(米)、アート・ルーリー(米)の二人は143-142の1点差でピントール。
思いがけない?勝利にビックリした顔のピントールはすぐに笑顔に。
そして前王者となったサラテは、一瞬信じられないといった表情の後で、怒りをぶちまけた。AP通信社の採点も9ポイント差でサラテの勝ち。
ジャッジの見解がこれほど大きく食い違ったスコアは以後見たことがない。試合後、すぐに11月再戦が決まった両選手だったが、サラテが再戦のリングに立つ事はなかった。
さて、パッキアオvsブラッドリー。苦しい中盤戦から最後まで頑張った挑戦者。意外な顔で勝利宣告を受けた勝者。信じられないといった表情で敗北を聞いた敗者という構図は、サラテvsピントール戦と全く同じである。
そして付け加えるなら、海外サイトで指摘されていたパッキアオの「不摂生、練習不足」も、サラテの場合と似かよる。
「乱れた生活を聖書の教えに従って改善した」と宣言したパッキアオだったが、試合ぶりから見ると、そのつけが回って来たかのような空振りの多さと、後半の失速だった。
”真の敗者はパッキアオではなく、ボクシング界”(スポーツナビ)
33年前、共同プロモーターの一人はドン・キングだった。先の試合はキングのライバル、ボブ・アラムのプロモート。
ミステリアスな歴史は繰り返されたということになりました。パッキアオには、再戦で自らの拳で真実の勝利を掴んでほしいと願います。
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