WBC世界バンタム級タイトルマッチ。チャンピオン山中慎介(帝拳)vs同級1位スリヤン・ソールンビサイ(タイ)の一戦は、序盤劣勢から7回にダウンを奪った王者が逆転。ファンが望むKO防衛への期待が高まった。(22日、代々木第2体育館)
しかし、スリヤンも思い切った左フックを打ち返し、ヒヤリとさせる。
だが、王者はコンビネーションで対抗。
ここも立ち上がった挑戦者は、旺盛な闘士でこのピンチを乗り切った。
第9ラウンド。上げ潮ムードの王者が攻勢に出る。
山中選手のトランクスには、亡き盟友、 辻 昌建氏の名前が。
苦しくなったスリヤンは、レスリング行為で減点1。
そして、山中選手の見事な左アッパーがスリヤンのボディに突き刺さると、たまらず挑戦者はキャンバスへ膝をつく。会心のパンチに、王者に笑みが浮かんだ。
このピンチもこらえた挑戦者スリヤン。そのタフネスと頑張りは、素晴らしかった。
試合は第10ラウンドへ突入。
王者の”ゴッド・レフト”が挑戦者を襲うが、スリヤンは頭を下げて顎には打たせない。もみ合いが多い展開となり、前に出た挑戦者がポイントを引き寄せた。
11回。王者の左ボディを効かされた挑戦者だったが、闘士は衰えず前に出ることをやめない。
試合はいよいよ最終12ラウンドを迎えた。
KOを狙うチャンピオン。左ストレートが効いたが、スリヤンはここも踏ん張りダウンを拒否。驚異的な頑張りで試合終了ゴングを聞いた。
判定は文句なく山中選手。
スコアは116-108、114-110、115-109の3-0。3度のダウンが大きく物をいった。
大いに健闘したスリヤン。「もう一度、チャンスが欲しい」と、心は折れていなかった。
長男・豪祐君、長女梨理乃ちゃんと勝利インタビューを受けるチャンピオン山中選手。
防衛記録よりも王座統一。25日(日本時間26日)、モナコで行われるIBF世界バンタム級王座決定戦で、ランディ・カバジェロ(米)がスチュアート・ホール(英)に勝てば、「即座に対戦交渉に入る」と、本田会長も王座統一戦には異論がない。
世界最強のバンタムを目指す山中選手の今後に期待!。