前WBA世界ミニマム級王者・宮崎亮(井岡)選手は、Lフライ級ノンタイトル10回戦に登場。前日計量はリミットをクリアしたものの、減量苦から失神寸前の醜態をみせ、体調不安から試合の開催を危ぶむ声もあがっていた。
対戦相手は、IBF世界Lフライ級6位にランクされるファーラン・サックリン・ジュニア(タイ)。22勝(14KO)2敗の20歳は、これが初の10回戦。
試合を前に、角田信朗氏が「君が代」を歌った。
両選手をコールするのは、小川ゆうじ リングアナ。本業はナニワプロモーション所属のムード歌謡歌手で、目標は、
「演歌の職人」。
試合開始。初回は何事もなく終わったが、ポイントはタイ人に。
第3ラウンド。
元気のない宮崎選手は、ファーランのパンチを不用意にもらう。
ファーランの左フックが宮崎選手を襲う。
両選手のパンチが交錯。
次の瞬間、倒れたのは宮崎選手。
前世界王者は本能的に立ち上がろうとするが・・・。
ふらつく宮崎選手に、無情のテンカウント。
福地主審は続行を許さなかった。
「自分に負けた」、宮崎選手。
勝者は、「宮崎は前王者だし海外での試合も初めてだし勝てるとは思わなかった」と正直な気持ちをうちわけ、「計量の時の宮崎は病気のようでショックだった。勝てたのは宮崎の調子が悪かったからじゃないかな」と、続けた。
友人の井岡一翔選手が、「腹が立つ」と憤るほどの失態を演じてしまった宮崎選手は、2階級制覇の計画も白紙に。
試合後、井岡一法会長は「ずる(さぼり)をしたら自分に返ってくる」とし、「頑張るなら続けさせるが、精神面がどうか」と敗者を気遣った。